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草の生えた屋根の作り方

まず、6本の丸太で壁を造り、丸太を重ねる部分を山形に切り取り重ねる。屋根は白樺の皮を6枚重ねる。白樺の皮は油性で水を通さない上、昔は簡単に手に入ったからだ。白樺は、一度皮を剥いても8〜9か月後にまた元に戻る。皮を剥くのは、春先の5〜6月にかけてが良い。
釘を使うと穴があくので木の板でそれを抑え、その上に約15cmの厚さの土を乗せる。土を乗せることにより、屋根全体の重さで、山形の部分が下の丸太に食い込み、家がしっかり締まる。山形の空間の部分には苔を入れる。つまり土の重さが断熱材の役目をする。一度土をのせると約50年間はもった。
草は勝手に生えたもので、土の上に草が生えるという自然の法則だ。しかし勝手に生えた草でも効用がある。草は、根が生えることにより土が固定され、風邪で飛ばされたり、雨水によって土が流れるのを防ぐ。真夏日でも土の乾燥を防ぎ、1年を通して温度差の変化もあまりなく、防音の働きもした。

「ノルウェーフィヨルドの旅」 村上よしゆき著より


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